「ウェブ進化論」の梅田氏と作家の平野氏という異分野の2人が、ウェブ2.0時代に人間がどう変化していくのか語る対談本。前作同様、未来に常に楽観的な見方をもつ梅田氏に対して、若い平野氏が悲観的なのが、それぞれ足場とするメディアの新旧を表していて面白い。
グーグルや、アップルのスティーブ・ジョブス、アマゾン…日本ではmixiやはてなの社長など、ウェブ2.0時代をつくった人たちが「スターワォーズ」好きの、ある意味純粋な数学好き・テクノロジーおたくだというも、不思議と分かる気がするが、何より、彼らに共通する「インタ−ネットの成り立ちの思想と、オープンソースの思想と、それを支えているハッカーエシックスみたいなものの組み合わせ」「お金よりも賞賛であるとか、情報の占有より共有とか」を大切にするという考え方が興味深い。中心の偏在性。所有から共有へ。新しい時代の倫理。ひょっとすると、ウェブに関わる彼らだけでなくて、これからの資本主義社会を(いい方向に)変えていくキーワードかも。
ともかく今、僕らは、古くは活版印刷とか、写真の発明の時のようなメディア環境の大きな変化の時代に生きている。僕の所属している広告界もまさにそのまっただ中に晒され始めたわけだけど、アート界ではすでに、60年代のミニマリズムや、70年代ころに「オープンワーク/開かれた作品」という考え方で、作者が作品の意味をつくるというところから、見る人が作品の意味をつくるという転換が生まれたりしている。その後、90年代には「リレーショナルアート」や「メディアアート」などで参加型の作品が多く生まれたりなど、ある意味、ウェブ2.0時代を先取りしていたとも言える。そんな中、社会自体がウェブ2.0と言われる時代になった今、どんな表現が価値をもつのか、どんな新しい表現ができるのかが気になる。
PS:そうそう、この本を読んだからだけでもないですが、これを機会に当ブログを(梅田氏の所属する)「はてな」に移転することにします!