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  砂漠について 7/29/1999  -  2004.07.01.Thu / 02:33 
tourist砂漠へ行く。これまでにも、鳥取砂丘、エジプト、モロッコへ砂漠を求めて行ってきたが、その度に僕の抱いていたイメージと違うごろごろとした石、観光客の姿にがっかりしてきた。別に、安部公房の「砂の女」に出てくる中年の男のように、昆虫採集のような明確な目的があるわけではない。でも、僕は砂漠に惹かれ続けている。あるいは、砂漠ということばから想像するイメージに惹かれている。ここで、僕の描く砂漠のイメージを挙げてみる。

・ 人のいない場所(英語でdesertedは、無人という意味)
・ 道路や、建物のない場所(そこには、なにもない)
・ 地図にない場所。(道路と道路の間は、広大な空白である)
・ 不毛な場所(愛の不毛を描いたM・アントニオーニの映画にはよく砂漠が登場する)
・ 常に動きつづける場所(映画「砂の女」での流動する砂のイメージ)
・ ひとりきりになれる場所(孤独を発明する場所)
・ 遊牧民
・ 放浪
・ 消失
・ 死

これらは僕がこれまで見た映画や小説、人から聞いたイメージの混じったものだ。日常で都会の人ごみや情報洪水にまみれているからこそ、その反動として「なにもない」砂漠に惹かれるということ。自分が普属している世界の外部、空白だからこそ、そこに勝手にロマンチックなイメージを投影しているということ。それは、わかっている。でもそれだけではない気がする。ドゥルーズ・ガタリは「ミル・プラトー」の中で、砂漠についてこう書いている。

「それはユークリッド的条理空間のように視覚的な空間であるよりも、むしろ触覚的な空間。平滑空間は運河も水路ももたない一つの場、非等質な空間。非常に特殊な形の多様体。非計量的で中心をもたないリゾーム的多様体。空間を数えることなく空間を占める多様体。それを探検するには「その上を進んでいく意外にはない」ような多様体に一致するのである。外部の一点から観察されうるという視覚的条件を満たしていない。」(ドゥルーズ・ガタリ「千のプラトー」)

ドゥルーズは砂漠を、都市のような道路やビルで区画化されていない場所、平滑空間と呼んでいる。都市のように中心を持たないリゾーム的多様体(?)。その上を進むには、地図を頭の中に描くのではなく、自分を中心に手探りで進んで行くしかない。砂漠での行動は、都市とは別種の思考回路を必要とするのだ。ユークリッド幾何学に対する、非ユークリッド幾何学のように。そう考えると安部公房をはじめ、アントニオーニ、ウェンダースなど、既成の小説や映画の概念にとらわれない作品を生み出してきた作家が、砂漠に惹かれて題材としてきたのもわかる気がする。

とはいえ、惹かれるのと実際に住むのとでは、話は別だ。ちょっと歩けば、すぐに靴に砂が入るし、夏は猛暑、冬は寒い。しかも食事もけっこう辛い。求めるのは実際の砂漠ではなく、あくまでも思考のモチーフとしての砂漠なのだ。
都市を、遊牧民のように平滑空間とみなすこと。マンションを買って「あがり」、保守的になるくらいなら、常に仮の住まいとして賃貸アパートを移動しつづけること。世界は変化している。止まっている場合じゃない。遊牧民のように、自分を中心に新しい世界の地図を描き続けること。そうすることで、何かが見えてくるはずだ。
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 プロフィール 

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近藤ヒデノリ Hidenori Kondo
某広告代理店CMプランナー/クリエイティブ・ディレクター/TOKYO SOURCE編集長/美術家。
30カ国に渡る放浪の旅、CMプランナーとして4年間勤務後、NY大学/国際写真センター修士課程に留学。9.11直前に復職。以後、TVCMを中心に広告コミュニケーションをつくりながら、個人での表現活動もつづけている。留学中から季刊誌[A]の創刊・編集に携わる他、「Removed」「PLAY」「無重力スポーツ」など、日常に隠された権力を読み替える作品を国内外で発表。近年は人のつながりと対話をテーマに「Wedding」展の企画、「TOKYO SOURCE」 編集長を務める。06年には、久々の自身の個展「FREE CAMEL」を開催。(photo:竹内スグル)

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東京発、未来を面白くする100人(インタビュープロジェクト/2005.3~)
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禁煙ブームのこの時代に、個人の自由と表現の可能性を問う自身久々の個展。煙草「CAMEL」のパッケージからラクダを解放、路上禁煙法で知られる千代田区のギャラリーに本物のひとこぶラクダを登場させます。会場ではラクダを見ながら、CAMELが無料で吸い放題。9月22日(金)たった一日開催予定!詳しくは↓
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YAMAHAのフリーペーパー「Soul Switch」にインタビューを受けました。 →インタビュー全文 main

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